たぬきが頑張るジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』

平成狸合戦ぽんぽこは高畑勲が原作・脚本・監督を務めたジブリ映画です。1994年に公開され、現在も時折、テレビでも放送される人気作品です。

舞台は昭和40年代の多摩市です。当時、多摩市は多摩ニュータウンとして開発が進んでいました。その煽りを受けて棲み処を失って追い詰められていった狸達が主人公で、彼らが自分達の居場所を護るために戦う物語です。

戦うと言っても、主に武器とするのは化け学と呼ばれる変身術で、人間達を畏れさせ、自然に対する畏敬の念を取り戻させようという比較的温和な方策がとられます。特に見所は、狸達が化け学を使ってたくさんの妖怪変化に変身し、人間達の街を練り歩くシーンで、無数の妖怪達が自由気ままに行進する百鬼夜行が美麗な映像で表現されています。

基本的にこの平成狸合戦ぽんぽこは狸の視点を通して、当時、我が物顔で自然を蹂躙していた人間達、更には現在も続く人間文明の拡張と自然破壊に対する批判や警告と言った、ある意味ジブリ映画らしいメッセージが込められており、決して明るいだけのファンタジー作品ではありません。

また、作品内では過激派狸による襲撃で、人間や狸が死んでしまうシーンも描かれていますし、最終的には狸達は森を追い出され、人間世界での生活を余儀なくされるという、見方によっては敗北ともとれる結末になっています。

そんな一見すると少し重くてシリアスにならざる得ないテーマやシーンを含有しながらも、この平成狸合戦ぽんぽこが、視聴者に明るさや感動を与えてくれる作品として評価されるのは、全編に散りばめられた狸のユーモラスで呑気なキャラクターと、最後は人間に棲み処を追いやられながらも、化け学を駆使して、人間達と共に生きていく狸達のしたたかな生命力の強さが輝いている作品だからでしょう。

因みにこの作品のキャッチフレーズは、糸井重里の「タヌキだってがんばってるんだよォ」であり、彼はこの平成狸合戦ぽんぽこだけでなく、多くのジブリ映画で印象に残るキャッチフレーズを提供しています。

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